Vol.1:データと情報
指導者にとって情報管理は重要な役割の一つです.
普段,私たちは「データ」や「情報」といった言葉を良く用いますが,「データ」と「情報」は同じ意味なのでしょうか?また,違うとしたらそれぞれどのような意味があり,私たちはどのように「データ」や「情報」を使っていけば良いのでしょうか?
そこで,データと情報についてまとめてみたいと思います.

データとは?情報とは?.
普段,私たちの生活の中では,さまざまな出来事が起きています.例えば,株価も一日ごとに変動していますし,私たちの体重も日々変動しているでしょう.これら,日々の活動の結果得られる数値などの蓄積が「データ」であると考えることが出来ます.例を挙げますと,自分の体重を毎日測り,それを日記などに書き留めていったものがデータであると考えることが出来ます.
そしてこれら,日々の活動から得られたデータの中から(データを基に),ある意思決定をするために抽出された(使われた)データが「情報」であると考えることが出来ます.先程述べた体重の記録(データ)から「ダイエットをしよう」という意思決定がなされたものが情報であると考えることが出来る訳です.つまり,意思決定をするために必要とされる(必要とした)データが情報であるという訳です.

データと情報
私たちが生活をする上では,さまざまな意思決定をしなければなりません.その意思決定の中には瞬時に決定を下さなければならないもの,また,ある程度の時間をかけて決定を下すものがあると考えられます.どちらにしても,その意思決定を行なう上で必要とされるのは,先ほど述べた通り情報であると言えます.情報を得るためにはデータが必要となります.しかしながら,「別に日々の活動の結果から得られるデータなんかなくても経験的に意思決定出来るし,してるよ」といった考え方もありますし,瞬時に判断し決定を下さなければならない場合には情報やデータが使われていないのではないかという疑問も生まれてきます.
私たち人間は非常に優れた生き物であり,日々の生活の中で経験したさまざまな出来事を記憶しています.つまり,データを自ら身体の中に(脳に)蓄積している訳です.そして,瞬時に判断を下さなければならない時にこれらデータ(経験・記憶)の中から情報を引き出し,驚くべき速さで意思決定をしているのです.また,特にデータを蓄積しなくとも経験的にさまざまな意思決定が行える訳です.
しかしながら,全ての意思決定がこのようなプロセスで行われる訳ではありませんし,経験や記憶に基づくデータおよび情報では意思決定を行なうことが難しい場合もあります.
例えば先ほどから述べております体重のお話ですが,私たちは食事を採りすぎた場合,体重が増える→ダイエットする必要があるという判断を(経験的に)下すことが出来ます.しかしながら,どの程度(何kg)体重が増えているのか,その結果どの程度体重を減らす必要があるのか,その程度の体重を減らすためにはどのようなことをしたら良いのかまでは,経験的に判断し決定することは容易でないといえます.従って,(より客観的な)データが必要になってくるという訳です.
かといって,個人の経験・記憶が必要ないかといえばそうではありません.意思決定を行なうのはあくまでも私たち自身です.客観的データの中から情報を引き出し,そこから意思決定を行なう上でベースとなるのは,個人の経験・記憶,すなわち主観的なデータである訳です.
ですから,客観的なデータと主観的データを使って,より良い意思決定を行っていくということが重要であると考えられるのです.

特に,スポーツ指導の現場での意思決定は,選手のため,チームのために行われる訳ですから,主観的データだけではなく客観的なデータをも用いて意思決定をする必要があると言えます.データなくしては,情報もなく,意思決定が出来ません.従って,指導者はさまざまな経験を積むことが必要であり,日々の活動を記録する癖をつける必要があるといえます.

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